受注・現品票発行
得意先・製品・処理・数量・納期を、旧システムと同じテンキー中心の操作で登録。特急・午前・優先1〜4の優先度もその場で設定できます。登録と同時に、ロットNoとバーコード入りの現品票をドットプリンタへ直接印刷。現品票は製品に添付され、以降すべての工程でこのバーコードが識別票になります。受注残は一覧でいつでも確認できます。
導入実績春日井アルマイト工業有限会社
長野県岡谷市でアルミニウムの表面処理を手がける春日井アルマイト工業様。2000年から業務データを蓄積してきた製造管理システム(VB6+Oracle)を最新の技術で全面刷新し、導入・運用コストを従来の約10分の1に抑えました。約623万件のデータを差異ゼロで移行し、受注・現品票の発行からブラスト・セット・表面処理・検査、外注・内職、納品・請求までを一つのシステムでつないでいます。
春日井アルマイト工業有限会社KASUGAI ALUMITE INDUSTRY CO., LTD.
The Challenge
2000年から業務を支えてきた製造管理システムは、VB6とOracle 11gで構築された旧世代の構成。高額なライセンス・保守費用に加え、データベースの接続情報も分からず、自社のデータを自由に取り出せない状態でした。過去には他社が移行を試みて断念。売上やレポートはExcelで別途管理する二重管理も続いていました。
2026年9月末の契約満了を前に、「同等の機能をコストを抑えて再構築し、データも自社で持ちたい」——そんなご相談からプロジェクトが始まりました。
2008年にメインストリームサポートが終了したVB6で開発。OSやPCの更新に追従できるか不安を抱えながら、改修も保守も年々難しくなっていた。
Oracleのライセンス・保守費用が継続的にかかり、契約更新時にはさらに高額に。小さな改修でも都度高額な見積もりが届き、改善が進まなかった。
データベースの接続情報が不明で、25年分のデータを自由にエクスポートできない状態。過去には他社が移行を試みたものの、断念した経緯があった。
現品票の発行から請求まで、止まれば工場全体が止まる基幹システム。契約が切れる2026年9月末までに、業務を止めずに確実に切り替える必要があった。
Our Approach
目指したのは「新しいシステムを覚えてもらう」ことではなく、「いつもの仕事が、そのまま新しい仕組みの上で動く」こと。現場へのヒアリングと旧システムの解析から業務を一つずつ洗い出し、高額なライセンス費のかからない構成で、同等以上の機能を持つ製造管理システムとして作り直しました。
ドキュメントの残っていない旧システムの画面を記録し、稼働中のSQL通信40,710件(822パターン)をキャプチャ。業務ロジックを実際のデータの動きから一つずつ読み解き、旧画面の集計値と新システムの計算が一致するまで検証を重ねました。
テンキー中心の入力、F1〜F12のファンクションキー、ドットプリンタで印刷する現品票。長年の習慣を崩さないよう操作感を再現したうえで、作業中の記録や全端末のリアルタイム更新など、旧システムになかった機能を加えました。
本番と同じ手順のリハーサルを重ね、約623万件のデータを主キー単位で突合。切替後は旧システムと並行稼働し、受注・納品・外注などの件数・数量・金額を毎日照合して、差異がないことを確かめながら移行を進めました。
Process
現品票に印字したバーコードを各工程のPCで読み取るだけで、作業の開始・完了を記録。登録内容は全端末の画面へ即座に反映され、「どのロットが、いまどの工程に、何個あるか」を事務所からリアルタイムに把握できます。製品ごとに異なる9パターンの処理経路にも対応し、ブラストだけで終わる製品、外注から戻ってセットする製品なども、同じ仕組みで追跡できます。
One Ticket, All Processes
現品票1枚のバーコードで、
全工程を追跡。
得意先・製品・処理・数量・納期を、旧システムと同じテンキー中心の操作で登録。特急・午前・優先1〜4の優先度もその場で設定できます。登録と同時に、ロットNoとバーコード入りの現品票をドットプリンタへ直接印刷。現品票は製品に添付され、以降すべての工程でこのバーコードが識別票になります。受注残は一覧でいつでも確認できます。
梨地仕上げなどの前処理を行うブラスト工程。現品票のバーコードを読み取るだけで、予約・作業中・完了を登録できます。製品によって「ブラスト後にセット」「ブラストのみで完了」「ブラスト後に内職へ」と経路が分かれますが、どの経路にも対応し、次に向かう工程まで画面で確認できます。
製品を枠・引掛に取り付ける、またはかごに入れる工程。バーコードを読んで開始し、完了時に数量を入力するだけのシンプルな操作です。作業中の状態も記録されるため、旧システムでは残らなかった「いま作業しているロット」まで画面で追えます。一部だけ終わった場合の分納登録にも対応しています。
アルマイト自動機・硬質タンク・原色タンク・化成処理・無電解ニッケル・マグネシウム防錆処理など、14の処理ラインごとに進捗を記録。登録内容は全端末へ即時に反映されるため、事務所にいながら各ラインの状況を把握でき、工程の滞留や納期遅れの兆しにも早く気づけます。
処理後の検査で合格・不合格の数量を登録し、分納・完納を管理します。検査の作業記録は、旧システムでは残せず新システムで初めて蓄積できるようになったデータです。受注から検査までの工程履歴はロット単位でさかのぼれるため、お客様からの問い合わせにもすぐに答えられます。
社内でできない処理は外注先へ、セット作業は内職先へ。発注から受入、伝票、チェックリストの出力までを一元管理します。どのロットがいま社外に出ているかも同じ画面で把握でき、外注・内職それぞれの発注残の確認も一覧で完結します。
納品書をドットプリンタで発行し、検収書・請求書はPDFで作成してメールで一括送信。送信履歴も残ります。5日・10日・月末などの締日ごとの請求締め、振込手数料の自動計算を含む入金管理、売掛金の滞留管理まで対応し、受注から入金までが一つのシステムでつながります。
Documents
受注から請求まで、
帳票もこのシステムから。
System Architecture
世界中の企業で使われている実績ある技術を採用し、高額なライセンス費がかからない構成で構築。ベンダーの都合に左右されることなく、25年分のデータを自社の資産として持ち続けられます。
自社 データの所有権は自社に
現場いつもの操作のまま
専用システム自社所有
25年分のデータを自社で保有
社外
実績ある標準技術で構築し、Oracleのような高額なライセンス契約は必要ありません。
データの所有権は100%自社に。ベンダーに頼まず、必要なときにいつでも取り出して活用できます。
自動バックアップと検証の仕組みを備え、改修は事前に確認してから反映します。
Result
高額なライセンス費から解放され、25年分のデータは自社の資産に。現場の操作を変えないまま、基幹システムの中身だけを丸ごと入れ替えました。
高額なライセンス・
保守契約から、卒業。
ライセンス費のかからない構成で、同等以上の製造管理システムを従来の約10分の1のコストで実現。浮いた費用を、次の改善に回せるようになりました。
2000年以降の受注・売上・工程履歴を丸ごと。
旧システムと並行稼働し、現場を止めずに移行。
新旧の数字を毎日照合し、計算のズレなし。
Voice
「画面も入力の流れも、ほぼそのまま。
それでいて、データはようやく
自分たちのものになりました。」正直、入れ替えへの不安は大きかったです。受注から請求まで、毎日の仕事がすべてこのシステムの上で回っていますから、止まれば工場全体が止まります。新しい画面を一から覚え直すことになったら、現場は相当混乱するだろうと思っていました。
ところが実際に切り替えてみると、キー操作も現品票の形もほとんど変わらず、現場は拍子抜けするくらいすんなり移れました。それでいて、以前は見えなかった「いま作業中のロット」まで画面で追えるようになっています。変わらないところと良くなったところの線引きを、こちらの業務に合わせて丁寧に考えてもらえたと感じています。
これまで取り出すことさえできなかった25年分のデータも、ようやく自分たちのものになりました。コストを抑えられたぶん、このデータを生かした改善にも少しずつ取り組んでいきたいと考えています。
クライアント様情報
長野県岡谷市で1960年に創業した、アルミニウム表面処理の専門企業。各種アルマイト加工をはじめ、フープ材の連続自動アルマイト、硬質アルマイト・化成処理・マグネシウム防錆処理・チタン合金陽極酸化などの機能表面処理、タコ印刷・スクリーン印刷まで手がける。
https://www.kasugai-alumite.co.jp/
Contact
高額なライセンス費、ベンダーロックイン、保守できる人がいない——。
老朽化した基幹システムの刷新をお考えなら、まずは現状をお聞かせください。
旧システムの解析からデータ移行、並行稼働まで、一貫してご支援します。